リフォームの事業者を選ぶために相見積もりをするといいと聞いたけど、何社に頼めばいいのかわからなくなっていませんか。相見積もりは意外と時間も労力もかかるので、ご自身にとって最適な数にすることが大切です。今回は実際にリフォームに携わっている設計者の視点から、見積もりの依頼先を決めるポイントについてお話しします。
正解はありませんが、現実的には3、4社くらいが限界では
リフォームの見積もりを依頼する際には、いくつかのステップあります。
打ち合わせの依頼、準備
まず、打ち合わせや現地調査のために複数の事業者と自分や家族の日程を調整します。打ち合わせの日までには事業者が家の状況を見て適切な提案を行えるように、自宅をある程度片付けておくことが望ましいです。知人が訪ねてくる場合とは異なり、リフォーム事業者は必要とあらばプライベートなゾーンにも立ち入ることになります。事業者側は慣れていますのでお部屋がどのような状況でも必要な作業を進めていくのですが、気になる方はそういったスペースも含めて片付けることになります。
要望の整理
また、打ち合わせの前には、自分たちの要望や疑問点をあらかじめ整理しておくことが大切です。具体的な希望や今感じている悩み事などを事業者にできるだけ正確に伝えることで、より自分が目指すリフォームに沿った見積もりと提案が得られます。
比較・検討
最後に、各事業者から出てきた提案を比較、検討し、それぞれにフィードバックを返すことになります。具体的な提案内容を細かく見ていくことで、それまでに自分自身でも気づいていなかった要望や、必要だと思い込んでいたことが実はそうでもなかった、という気づきが得られることでしょう。そういった事項も各事業者とやり取りすることで、さらに最適なリフォームに近づくはずです。
以上のように、見積もりを取るには時間も頭も体力も使います。毎日の忙しい時間の中で、どれくらいの時間や労力を割けるかは人によって異なるため、この問題については絶対の正解はありません。ですが、多くの人にとっては現実的には3、4社くらいが限界ではないかと感じます。3社でも対応に四苦八苦されており、早く絞り込みたいと感じられているお客様も多いように感じます。もし3社でも負担に感じるということであれば2社でもよいと思います。
見積もりを依頼する前にやっておいたほうがいいこと
どういうところに依頼するかを決める
リフォームの見積もりを依頼する際には、どのような業者に依頼するかをまず決めることが重要です。リフォーム会社、工務店、ハウスメーカー、建築設計事務所など、選択肢はさまざまです。各社はイベントやブログ、SNSなどで自社のことをアピールしているはずなので、なるべくチェックしておくと良いでしょう。
リフォームで何を実現したいのかを自分なりに考えておく
完璧でなくても良いので、自分なりにリフォームでどのようなことをしたいのかを考えておくことが大切です。これまで多くのお客様と様々な要望についてお話をさせていただいて感じていることは、やはりお客様側でやりたいことがはっきりしている場合はプロジェクトの進行もスムーズに進む傾向があります。
話し合うきっかけさえあれば十分
事業者側はお客様が何をお考えであるのか、というきっかけが欲しいので、具体的なイメージがあると話が進めやすくなります。そのイメージは具体的である必要はありません。正確な情報に基づく必要もありません。ご自身としてこう考えている、という内容で問題ありません。しっかりした会社、担当者はお客様が話していることの真意をくみ取って最適な提案をしてくれるはずです。逆に、言われたことの内容を深く考えずにそのままやろうとする会社は避けた方が良いでしょう。
言葉で伝えることが苦手な方は、画像やイラストを使って伝えていただいてもよいでしょう。私も、「有名人の〇〇さんが雑誌で自宅の取材を受けていたんだけど、その住宅のイメージ」という感じで依頼を受けたりします。視覚的なイメージを持つことで、事業者とのコミュニケーションがずっとスムーズになります。
まとめ
見積もりを何社に依頼するかは、みなさんのかけられる時間や労力、目的によりますが、多くても3、4社が現実的な範囲と考えます。情報は幅広く集めることが重要ですが、整理して比較できる状態にすることも労力がかかることを覚えておいてください。無理をせず、状況によっては2社で行うことも検討してみてください。
見積もりを依頼する前にリフォームのイメージをできるだけはっきりさせて、どういった事業者に依頼するかをあらかじめ整理することが成功への鍵となるでしょう。